GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

クラクション
1999年/投稿者: (zen)

このお話は私のお友達のS君から聞いた 不思議な出来事です。

以下の文章はS君の体験をもとに掲載されています。

ある日私(S)と私の彼女と学生時代の親友(計3人)で

「ミステリースポットに行こう」 という話しが持ち出されました。

地元周辺の心霊スポットはすべて制覇してしまったので

今度は県外の有名な心霊スポットを探検してみるかという事になりました。

私達は元々そういった怖い系のお話や イベントが大好きでしたのですぐに色々調べました。

すると神奈川県のあるトンネルが候補にあがりました。

地元ではかなり有名な心霊トンネルらしいのですが・・

深夜1時頃私達は車を出し その幽霊トンネルへ向かいました。

出発して何時間かは皆、初めて行く心霊スポットでしたので

ワクワクして車の中でそれなりに盛り上がっていました。



彼女>「ねぇねぇ?本当に出るのかな?」

友達>「心霊スポットって今まで出た試しねーからなー」

S>「お前等そんな事言ってると今日は本当に出るぞ?」



いくらオカルト関係が好きな私達でも 未だに幽霊や心霊現象とは全く縁がなく

少し面白半分で現場につくまでのその時間を過ごしていました。

途中車から降りて休憩等を入れ、ようやく神奈川県に入りました。



友達>「お、もうすぐだな。なんか異様な雰囲気がしてきたぜ」

S>「あぁ、もう少しでつくから気合いれとけよ」



そんな事を言いながらしばらく車を走らせているとそれらしいトンネルが見えてきました・・



友達>「おい、あれじゃねーの?」

彼女>「うわ〜・・なんかいかにもそんな感じ・・」

S>「ついたか・・」 私


達はトンネルに入る前に 入り口から30メートル程離れた位置で車を止め外に出ました。


S>「確かこのトンネルに入る前に入り口で クラクションを3回鳴らすと出るんだったか?」

友達>「あぁ、そうだよ。走りながらな」

S>「よし、やってみるか」


私達はドキドキしながら車に乗りこみトンネルの入り口まで車を走らせました。

徐々にトンネルの入り口が近寄ってきます・・

まるで闇の世界に引きずりこまれるようです・・・

そして入り口まで来たとき・・・








「プゥーッ!プーッ!プーッ!」







私はこのトンネルの噂通りにクラクションを3回鳴らしました・・











友達>「あれ〜?でないね〜。やっぱりこんなもんか」

彼女>「でもなんか・・ここ怖いよ・・」

S>「・・・うーん・・タイミングが悪かったのかな・・」







そんな事をいいながらトンネルの中を走っていると・・・







S>「うわ!なんだ!なんだ!」

友達>「どうした!」

S>「ちょっと後ろの車、まぶしくてしょうがねーなんなんだよあいつ・・」

彼女>「ヤンキーか何かじゃん?」


そうなんです。

私達の後ろに車がいてその車が激しくパッシングをしているのです。

私も初めは若者が悪戯をしているのかと思っていました。

ここは有名な心霊スポットですから そういう輩がいても不思議ではないと思ったんです。

ただのヤンキーかと、そう思っていました・・

思ったよりもそのトンネルは長く、後ろの車からのパッシングはやむこともなく

しばらくずっとまぶしくて仕方ありませんでした。



友達>「ちょっとマジでなんなのあいつ・・」



友達は半分キレていました。

いい加減私もむかついて来たのでハザードを出して車を止めました。

そうすると不思議に後ろの車も止まり、中から人が出てきました。

若いヤンキーが突然ケンカでも売ってくるのかと思っていたら、

そうではなく中から中年のおじさんが出てきました。


友達>「おい!お前さっきからなんなんだよ!」

「こっちは眩しくてしょうがないだよ!」

「ケンカ売ってんのか?」


おじさん>「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・」

友達はキレていましたが私は何か変に思いました。

あれほどしつこいパッシングをして来た奴が降りてみると中年のおじさんで

別にケンカを売ってくる訳でもないし覆面パトカーでもない。

しかも妙に腰が低い。

私は友達に言いました。

「ちょ、ちょっと、そんなキレんなよ、話し聞こうぜ」

彼女>「何か言いたそうじゃん」
























「もう1人の彼女はどうしたのですか?」























「・・???」

私達はおじさんのその言葉に鳥肌が立ちました。

だって私達は3人で来たはずなのに。

このおじさんは私の彼女以外の誰かを見ているのです。

「なんだよそれ?俺達以外に人なんていないよ!」

「何いってんだよこいつ」

「そ、そんなはずは・・」




「さっきあなたの車の後ろを走ってましたら
あなたの車の上にしがみついた女の人を見たんですよ」





「危ないですよ、あのまま落っこちたら大変な事になってしまいますよ」

「私も引いてしまう可能性があったので警告の合図をしてたんです」

「しかも何時の間にいなくなってますし、落してしまったのかと・・」

これを聞いて更にゾッとしました。

このおじさんは私達がクラクションを3回鳴らした後

私達の車の上に女がしがみついていたのを見て警告の合図をしたというのです。

無論私達は3人で来てるし、彼女が車の屋根の上に行くなどという事は絶対にありません。

そんな話し有り得ないはずなんです。

「すいません・・ありがとうございます・・」

そのトンネルの異様な空気を感じた私達はおじさんにそう言って

来た道を引き返し早々に家に帰りました。

いるんですね・・幽霊って・・

トンネルの上が元火葬場の●●トンネル・・

あそこはかなりヤバイです・・

皆さんもお気を付け下さい・・