GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

2000年/投稿者:(かなみ)

私の体験したお話をします。

といっても、そんなに怖くありませんが・・・



一番初めに体験したのは、幼稚園の頃。

私達一家は、都内の14階団地に住んでいました。







ある夜






私はトイレに行こうと、家族皆で寝ていた部屋を後にしました。

部屋からトイレへの道のり(?)は リビングを通って

左に曲がったところで、あまり距離はありません。

トイレのドアの前の通路を進むと洗濯機が置いてあります。

私はトイレのドアノブを握った瞬間 嫌な感じがして洗濯機の方を見ると・・・・・・




















老婆がこっちを睨みつけていたのです。
















私の家族は父、母、弟しかいないので

老婆が居るなんて事はあるはずがありません。

私は怖くなって、急いでトイレに駆けこみました。

用を足してトイレから出てみると、老婆はもういませんでした。

ホッとして寝室に戻ろうと、リビングに入った瞬間。















私の隣に誰か立ってるんです・・















立ち止まり、ソレを見ようとしました。

ソレは、男の子のでした。

最初は、『な〜んだ、弟かぁ』とか思っていたのですがそんなはずはありません。

だって、その男の子、私より身長が高かったんですから!!

私は顔を見ようと見上げました。

男の子は、鼻から上が消えていたんです。

でも、目がなくても、私の事を見ていたのは解りました。

何か言いたそうに・・・

しかし幼かった私は、急いで寝室に戻ると

そのまま布団をかぶり眠りについてしまいました。

あの男の子は誰だったのでしょう。

老婆は?





私は、老婆よりも男の子の方が印象に残っています。

その男の子は、中学2、3年生ぐらいの小柄なカンジに思えました・・

顔がほとんど見えていないのに何故そう思ったのか、自分でも解りませんが・・・

老婆と男の子に会ったからと言って、今までに何も起ったかというと・・・

起りませんでした。





でも一つだけ変わった事・・・

それは、私は今調度その男の子と同じ年頃です。

去年までは、その男の子のことを怖いと思っていました。

しかし今は、なんとも言えない気持ちです。

彼の事を思い出すと、涙が浮かんできます・・・

私は今、その団地には住んでいません。

引越しをしたんです。

会ったのはその一回だけなんですが もしかしたらついてきたのでしょうか。

彼は私に何が言いたかったのでしょうか。

老婆より、彼の方が気になります。

彼の事を思い出すと涙が出て来ると言いましたが・・・

もしかしたら、彼は私の中のいるのでしょうか?

ずっと中にいて 私が彼と同じくらいの年齢になるのを待っていたのでしょうか?

もし彼が私の傍にいるなら聞きたいです。

『あの時あなたは私に何を言いたかったの・・・?』