GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

老婆
2000年/投稿者:(Hiro)

昨年のこの季節・・・

暑い日・・・

もう二度とこんな事のないように・・・

そう思う出来事がありました。

S県I市の実家にて・・・






その日、家の前にある私の家の工場で兄がバイトをしておりました。

私は熱いのにこんな事は出来ないと思い やっておりませんでした。

その日の夜、兄がこんな話をし出しました。






「家の前の道で、いきなり婆さんが消えた」

などと言い出しました。

「何を訳のわからんことを・・・」

と思い、聞き流しました。




しかし・・・




その日の夜中・・・

確か二時位だったと思います。

腹部の痛みにより目が覚めました。

私の腹部に、老婆が正座をしていたのです。

その老婆は、私の顔を覗き込むように見ていました。

しかも、私の顔と老婆の顔の間隔が 5cmぐらいしかなかったのです。

着物をきた老婆は白髪で・・

じっと私の目を見ています。

さすがに嫌になり、体を動かし 退かそうと思いましたが・・・

「動かない?」

金縛りになっていました。

目だけは動くので、目を閉じました。
































「バシッ!」






























老婆は私の頬を叩きました。

我慢したのですが、何回も何回も叩くので 目を開けてしまいました。

何時間経ったのでしょう。

老婆はスーッと姿を消しました。

「夢であって欲しい」

と思いましたが頬の痛みが残っており 夢ではないことを確信させられました。

「そう言えば、兄が婆さんの話をしていたな?」

と思い、朝になったら聞いてみようと思い、朝を待ちました。

凄く長く感じました。



























兄に、その夜のことを話しました。

兄は、「どんな婆さんだった?」と言いました。

思い出したくありませんでしたが

思い出し 「ベージュ色の着物きてなかった?」と聞くと






「それ」






と答えました。

この話は、この時期になると、よく話すのですが とても辛い思い出です。

少しでも話し、楽になりたいと思います。

でも・・・忘れられない・・・

この時期になると・・・

あの老婆がまた・・・

私の前に出てくるのではないかと・・・

長くてすいません。 でも聞いて欲しかった。

皆さんにはこういうことがないように・・・